新潟県を訪問しました(後編)

2024/07/01

皆様
いつも私たちの活動に対し、ご支援ご協力をいただき、誠にありがとうございます。

前回に続き、新潟訪問の後半をご報告いたします。

■6月25日(火)午後 新潟県立新潟よつば学園訪問
よつば学園は、視覚、聴覚、知的に障害がある生徒たちが学ぶための特別支援学校で、令和4年に開校しました。
上記の障害の3つの葉と、生徒の保護者や彼らを取り巻く環境をもう一つの葉として加え「よつば学園」と名付けられたそうです。
学校名に共生社会の理想が掲げられていることに、深く感銘を受けました。

<学校の印象>
校内に入った瞬間、上下左右に広がる空間に驚きました。
1階と2階が吹き抜けになっていて、様々な方向からの音情報が飛び込んでくるからです。
私の経験上、日本の盲学校の多くは吹き抜けにはなっておらず、廊下も横に広いとは感じませんでした。単純に考えると、その方が校内の音が聞きやすいのだと思います。
しかし、ここには聴覚にも知的にも障害がある生徒たちがいて、それぞれ必要としている情報が異なります。例えば、聴覚障害の生徒は、1階と2階が吹き抜けになっていることや、廊下を広くすることで、より多くの視覚情報が得られて安心できます。
この学校の作りは、視覚的にも聴覚的にも、そして知的障害の生徒にも配慮されているのだと感じました。

岡村校長先生のお話によると、視覚障害の生徒が点字ブロックの上を歩いてくると、知的障害の生徒は自然に声をかけたり、聴覚障害の生徒たちは道に迷っていないか見守ったりするそうです。また、運動会では視覚障害の生徒が手話を使って全校生徒の前で挨拶をするなど、それぞれの生徒が自分とは違う障害があること理解してお互いに配慮した生活をしているとのことでした。それは生徒だけでなく、視覚や聴覚の専門に特化した先生が、専門以外の生徒の授業も受け持つことで、先生同士が学びを深めている、というお話も大変興味深かったです。

<囲碁体験会とアイゴ寄贈式>
学校説明が長くなってしまいましたが、無事に囲碁体験会もアイゴ寄贈式も滞りなく行うことができました。
寄贈式では、持参した碁盤と碁石を校長先生ではなく生徒さん達がそれぞれ受け取り、お礼の言葉を述べてくださいました。
囲碁体験では、高等部生徒4名、専攻科生徒5名が参加し、和気あいあいとした雰囲気で進みました。弱視の生徒が多かったせいか、私が手元に並べた問題もすぐに並べて素早く解いてしまい、いつもより進行が早かったです。授業は腹八分目で終わるのがモットー(?)の私ですが、石取りゲームだけで終わらず、陣地取りまで教えても良かったと反省しています。

<生徒の感想>
「ずっと囲碁に憧れがあったので、今回の体験で囲碁が分かって嬉しかった」
「囲碁のルールは知っていたけど、この碁盤があるならまた再開してみたい」
「石を取られた時のショックが大きかった」
「これから昼休みにやってみたい」
まさか既に囲碁を知っている生徒もいたのですね。
アイゴを使用すれば、視覚障害の生徒と、聴覚障害の生徒でも対局ができます。
これから、よつば学園の生徒たちがアイゴでもっと深くつながれるようにと、心に願って学園を後にしました。

ちなみに、帰りは学園から一番近いタクシー会社「四葉タクシー」で新潟駅まで戻りました(笑)校長先生のお話によると、同じ「よつば」ですが、偶然だったようです。すごい縁を感じますね。

最後になりますが、学園訪問に際し、私たちを新潟県教育庁とつないでくださった新田八朗富山県知事、新潟県教育庁義務教育課の南誠様、快く訪問を受け入れてくださった岡村浩之校長先生に心から厚く御礼を申し上げます。

以上、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

※以下、よつば学園訪問時の様子を映した写真です

生徒さん達にアイゴ盤と碁石を寄贈し、御礼の言葉を聞く柿島(写真左端)
最初のルール説明の時から、生徒さん達は積極的に碁石を置いて楽しんでました(同席した先生方も興味津々)
岡村校長先生と柿島で石取りゲームのエキシビジョンマッチ!
長くて天井が高く開放感のある廊下、様々な工夫がある校舎でした

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