【特別寄稿】囲碁普及報告inベトナム

2024/08/31


皆様
いつも当協会の活動にご支援とご協力をいただき、ありがとうございます。

先日、当協会HPに静岡県在住の國松葉月さんという方からお問い合わせをいただきました。
國松さんは、夏休み期間中に国際交流ボランティアとしてベトナムを訪問する予定で、ご自身も囲碁を打つことから「日本文化である囲碁をベトナムの盲学校生徒に体験してもらいたいと考えている、何か協力をしてもらえないか」とのことでした。
当協会HPを開設して3年になりますが、このような申し出は初めてです。
私は國松さんの意欲と行動力に感銘を受け、アイゴ九路盤を数面提供することを決め、すぐに郵送しました。
そして、無事に訪問を終えた國松さんから、体験の模様と多くの写真をいただきました。
以下に、ご本人の許可を得ましたので、その体験報告を掲載します。              ぜひ、ご確認ください。

<ベトナム訪問報告(國松葉月)>

訪問先:ホーチミン市にある盲学校。全校生徒は約80人で、シスター(修道女)の方々が運営している。

囲碁体験の様子:
約20人の生徒が体験に参加しました。
囲碁のルールを完全に伝えることはできませんでしたが、子どもたちは石を触ったり、盤に石を置いたりする動作を楽しんでくれました。
石の手触りをじっくり確かめ、笑顔で遊ぶ姿が印象的でした。
言葉の壁もあり、複雑なルールは伝えられませんでしたが、簡単な石取りゲームを楽しむことができました。

その他の活動:
囲碁以外にも、どうぶつしょうぎ、茶道、お香、楽器演奏などの日本文化を紹介しました。
子どもたちは自分の興味のある活動に積極的に参加してくれました。

印象に残ったこと:
視覚障害があっても、子どもたちは自立した生活を送っていることに感銘を受けました。
食事の後片付けやパソコンの操作など、様々なことを自分でこなす姿に驚きました。
また、日本語の歌で歓迎してくれたことも嬉しかったです。
「ありがとう」「さようなら」という歌詞を繰り返し歌ってくれました。

まとめ:
短い時間でしたが、子どもたちの好奇心と積極性に感銘を受けました。
視覚障害があっても、新しいことに挑戦する姿勢が素晴らしかったです。
この経験を通じて、視覚障害者向けのボードゲームとして囲碁が適していると感じました。
今後も交流を続け、より深く囲碁を楽しんでもらえたらと思います。

以上

~~報告ここまで~~

國松さんの報告から、視覚障害のある子どもたちに言語の壁を超えてアイゴで囲碁を教える難しさと感動が伝わってきました。
私も数年前のベトナム訪問で少ないボキャブラリーを駆使して囲碁を伝えたことを思い出し、とても懐かしくなりました。
今後、ベトナムでもアイゴで囲碁を楽しむ視覚障害者が増え、将来的に私たちと交流対局ができるようになることを願っています。

また、この記事を読まれた方で、視覚障害者への囲碁普及にご興味持たれた方は、お気軽に当協会の問い合わせホームからご連絡ください。お待ちしております。

以上、お読みいただきありがとうございました。

※以下、國松さんにいただいた写真を掲載します。

開始前の説明の様子(床の上にシートを敷き、アイゴ盤やどうぶつ将棋盤が並んでいる。生徒たちは椅子に座って説明を聞いている)
シスターから手渡された碁石(黒)を触り笑顔になる男子生徒
シスターの誘導で碁盤に碁石をはめられた女子生徒(碁盤と碁石をしっかり触っている様子がうかがえる)
床に置かれたアイゴ盤を囲むように複数の生徒たちがしゃがんで碁石をはめている様子(碁石をはめる楽しさが伝わってくる)

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