ボードゲーム体験会を実施しました

2022/05/16

皆様。
いつも私達の活動に対し、ご支援ご協力いただき感謝いたします。

おかげさまで、最近は視覚障害者以外の分野からもお声が掛かり、コラボレーションや講演依頼などもいただいております。
とてもありがたいことです。

そんな中、先日5月14日、ビーラインドプロジェクトというグループと一緒に、ボードゲーム体験会を実施いたしました。
この記事は、直接囲碁とは関係が無いかも知れませんが、むしろ囲碁と関係が無い分野こそ、新しい道を切り開くチャンスだと思って書かせていただきます。

ビーラインドプロジェクトは、『グラマ』と言う重さを使った対話型ゲームを開発した、現役大学生のみで構成される任意団体で、現在はTwitterやInstagramなどで情報発信をしています。
今回、目を使っても使わなくても遊べるゲームという共通点からお声が掛かり、トントン拍子に体験会の実施が決まりました。
打ち合わせを重ねてじっくりイベントを開くのも良いですが、こういった勢いで行うのもたまには良いですね。

そもそも『グラマ』とはどういったゲームかというと、

「グラマ」は、視覚の状態に関わらず、見える人も、見えない人も、見えにくい人も、みんなで一緒に楽しむことのできるボードゲームです。また、見える人だけ、もしくは見えない人だけでも、楽しむことのできるボードゲームを目指し、開発しました。グラマに勝ち負けはありません。重さの感覚と表現力を頼りに、みんなで協力してクリアを目指す、新感覚のコミュニケーションゲームです。
※ビーラインドプロジェクトのクラウドファンディングページから引用。

視覚障害者向けに少し詳しく書かせていただきますと、秤のような四方に台座が付いた物と、重りを入れる巾着袋、3種類のそれぞれ大きさと重さが異なった丸い玉が沢山入った箱を使用します。
プレイヤーは、2名または4名で行い、それぞれ適当に振り分けられた重り入りの巾着を一袋ずつ持ちます。
自分の持っている袋の中身を他のプレイヤーに触らせず、対話だけで全員の重さを均等にし、全員の巾着を載せた天秤が倒れなければクリアというのが基本的なルールです。
天秤が倒れなければ静寂があり、失敗は「がっしゃーん!」と盛大な音がするので分かります(笑)

実は、ゲームを盛り上げるためにテーマがあります。

「グラマ」は重さの感覚を楽しむゲームですが、グラムやポンドといった単位は一切登場しません。プレイヤーは手のひらで感じた袋の重さを、テーマに沿って自分なりの言葉で表現していきます。普段はあまり意識しない「重さ」の感覚と「重さを伝える表現力」を目一杯使って、コミュニケーションを楽しみます。また、与えられるテーマは、日用品などの物理的な重さから、「ありがとうの重さ」「気持ちの重さ」「料理のカロリー的な重さ」など、普段重量として意識することのない感覚までさまざまです。自分の持っている袋の重さを、さまざまな感覚に例えて伝え合う、新感覚のコミュニケーションゲームです。
※ ビーラインドプロジェクトのクラウドファンディングページから引用

私が入ったチームでは、野菜がテーマの時は「小さいじゃがいも一個分くらいかな」、キッチンにある物がテーマの時は「ティースプーンと同じくらいの重さかな」などと言っていました。

面白かったのは、ありがとうのテーマで、「居酒屋でおごってもらった時のありがとうくらい」とか、「道を教えてもらった時のありがとうの重さくらい」と表現する人がいて、そのことだけでも相手の感謝度に質問やツッコミが入ったりして楽しかったです。
自然にチームメンバーの考え方とか、どういった部分に気持ちのウェイトを置いている人なのかなと、他者に対してより興味を持つことができました。

普段、囲碁を打っていると、どうしても個人の勝ち負けに価値を見出しがちになってしまいますが、『グラマ』では、チームメンバー全員が重さを揃えないと成功しないので、”皆で勝つ”という連帯感が生まれます。
己の能力の高さが求められるのではなく、他者のことを知って理解することや、自分の言葉の伝え方を振り返る大切さを感じられるゲームだ、と私は感じました。
また、聴覚障害や他の障害の方とも『グラマ』を使い遊びながら、様々な障害同士の理解を深めていくことで、障害者同士の繋がりをより強くできるのではないでしょうか。

さて、この記事を読まれて、読者さんにはどのように伝わったでしょうか?
この記事を読んだ今の気持ちは、貴方にとってどれくらいの重さですか?
などと、私は早速影響を受けて何でも重さに例えたくなっています(笑)

ちなみに体験会の後は、ビーラインドプロジェクトの4名にもアイゴを使って囲碁を体験いただきました。
皆さん、飲み込みがとても早く、後何回か教室に来ていただければすぐに打てるようになりそうです。
やっぱりボードゲームを作ってしまうくらいですから、脳が柔軟なんでしょうね。

写真は、皆で『グラマ』を体験している様子とビーラインドプロジェクトのメンバーがアイゴで対局しているところです

また、ビーラインドプロジェクトでは、クラウドファンディングを実施中です。
ご支援いただける方はこちらからお願いいたします。
https://camp-fire.jp/projects/view/571309

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