2023/09/22
皆様
いつも私達の活動に対し、ご支援ご協力いただきまして誠にありがとうございます。
さて今回は、9月3日(日)に行われた『第2回誰でも囲碁大会』で決勝まで勝ち上がった囲碁ライターの品田渓さんに、特別に記事を書いていただきました。
何回かに分けて掲載する予定ですので、最後までぜひご確認ください。
ちなみに品田記者は、以前配信していた『視覚障害者への囲碁入門講座』にもご出演くださいました。
品田記者ゲスト回
https://youtu.be/hSvO1iXMck4
私達の活動を日本棋院コラムにも掲載してくれています。
手談でつながる人々―「第2回誰でも囲碁大会」参加レポート | コラム | 囲碁の日本棋院
https://www.nihonkiin.or.jp/etc/writer/post_2.html
それでは、品田記者の自戦記をお楽しみください。
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<第2回誰でも囲碁大会最強戦決勝譜_ライター品田渓の振り返り・第1譜>
ごきげんよう。9月3日に行われた第2回誰でも囲碁大会に参加した囲碁ライターの品田渓です。大勢の方とお話できてとても楽しいひと時でした。
特に嬉しかったのは岩崎晴都さんと最強戦の決勝を打つことができたことです。嬉しすぎて、思わず柿島さんに「自戦記」を書きます!と言ってしまいました。ちなみに自戦記とは自分で打った碁の感想や解説をする読み物です。対局が終わって自分の碁を振り返ったら、見られて恥ずかしいような手をたくさん打っていて、しまった!と思いましたが、後の祭りです。解説するような棋力ではないので、感想ばかりになってしまいましたが、お付き合いいただけると嬉しいです。
柿島さんから視覚障害のある方が棋譜並べをするのには森川式が良いと教えていただきました。森川式とは柿島さんの師匠、森川夕雨子さんが編み出された方法です。森川式の自戦記は私にとって初めての挑戦なので、優しい気持ちで読んでいただければと思います。
碁盤サイズ: 19
黒:品田渓
白:岩崎晴都
黒1手目: 16の四
白2手目: 3の十六
黒3手目: 16の十七
白4手目: 4の三
黒5手目: 5の十六
白6手目: 5の十七
黒7手目: 6の十七
白8手目: 4の十七
黒9手目: 6の十六
白10手目: 3の十四
黒11手目: 16の十五
白12手目: 16の十四
ここで私は「ああ、どこかで見たことあるけど、分からない」と思いました。
職業がら棋士の棋譜をよく見るので、見たことがある手は多いのですが、肝心の続きがさっぱり分からないのです。
黒13手目: 15の十四
やっぱり「ツケにはハネよ」かなと思って打ちました。
白14手目: 17の十五
すぐに下ハネを打たれて、「なるほど」。岩崎さんの勉強熱心さが垣間見えました。
*白14手目で「ハネにはノビよ」と16の十三にノビたら黒17の十五にサガって、右下隅黒の地が立派です。こうなったらいいな〜と思っていましたが、もちろんそうはなりませんでした(笑)
黒15手目: 17の十六
白16手目: 15の十五
黒17手目: 16の十六
白18手目: 16の十三
黒19手目: 15の十三
白20手目: 15の十二
黒21手目: 16の十二
*この手は黒14の十五カカエと少し悩みました。キリたいけれど、研究で上回っている岩崎さん相手ではやられそうだからです。でも、安全にばかり打っていても勝機がありません。結局、気合が大事かなと思い切ってみました。
白22手目: 17の十二
黒23手目: 16の十一
白24手目: 15の十一
*この手は次に白14の十四と白16の十のシチョウをにらんだ手です。どちらかのシチョウを防ごうとすれば、どちらかが取られてしまう。一瞬「しまった」と思いましたが、ひらめきました!
黒25手目: 17の十三
白26手目: 17の十四
*黒25、白26の交換で白16の十のシチョウが防げています。
黒27手目: 14の十五
*こちらを守ってシチョウはなくなりました。でも、右辺黒はシチョウで取られなくてもまだ生きていません。攻められそうです。
白28手目: 16の十
黒29手目: 17の十一
白30手目: 18の十三
黒31手目: 17の十
白32手目: 16の九
黒33手目: 17の九
白34手目: 16の八
黒35手目: 17の七
*この手は岩崎さんに局後ダメ出しされました・・・。「黒18の七とケイマして、右辺黒を生きなきゃいけないんじゃない?」と。この場を借りて言い訳させてください。右辺黒はだいぶ攻められています。このまま攻められて、もし死んでしまったら、死ななないまでもボコボコにいじめられたら、そう思うと不安でした。ちゃんと読めていれば不安はないのですが、読めないのだから仕方ありません。不安ならいっそのことこの黒はプレゼントしてしまおう。そう思ってしまったのです。
白36手目: 17の八
黒37手目: 18の八
白38手目: 18の七
黒39手目: 18の六
白40手目: 18の九
黒41手目: 19の七
白42手目: 18の十一
*黒5子が取られました。「いや、取られると分かっていたのだから、捨てたんだ」と一生懸命自分に言い聞かせましたが、今見ると、どうみても取られていますね(汗)。
黒43手目: 14の三
*一応右辺をプレゼントした代わりに右上隅に黒地ができたという主張です。
白44手目: 10の十六
*黒模様に打ち込んできました。ここから焦点は下辺に移って第2ラウンドです。
長丁場なので、ここで一息入れたいと思います。プロの対局は新聞に「観戦記」として紹介されます。観戦記は一局を7分割くらいにして、少しずつ、毎日掲載されます。ここまでは観戦記風にいうなら第1譜。次は第2譜となります。この碁は約200手なので、おそらく第4譜くらいになりそうです。1局を4分割してご紹介するので、4譜分けですね。気の長い話ですが、引き続きお付き合いいただければ嬉しいです。
それではまた第2譜で。ごきげんよう!