『第9回碁石海岸で囲碁まつり』を開催しました

2024/11/04

皆様 いつも私たちの活動に対し、ご支援とご協力をいただき、誠にありがとうございます。

今回は10月18日(金)~20日(日)まで、岩手県大船渡市にて開催した『碁石海岸で囲碁まつり』に、「誰でも囲碁大会 in大船渡」の実行委員長として協力いたしましたので、その模様を報告させていただきます。

今年は地元のお祭りである中森熊野神社式年五年大祭に合わせ、囲碁まつりも同じ日程で行いました。

初日は、熊野神社前に竹灯りが並ぶ特設ステージを設置し、囲碁まつりの開会式が盛大に開催されました。
開会式には、渕上清市長をはじめ、菅原実市議、三浦隆市議、大船渡商工会議所会頭の米谷春夫様など、地元大船渡の方々が私たちを歓迎してくださいました。他にも教育長、社会福祉協議会会長、観光物産協会会長、三陸鉄道役員の方々もおられました。
皆さまのご挨拶からは地元愛が感じられ、大船渡の未来を願う想いが伝わってきて、私たちもより一層大船渡に貢献できるように頑張ろう、という気持ちが湧いてきました。

その後の記念コンサートでは、岩手県一位を4連覇中の大船渡東高校和太鼓部の演奏、昨年からつながりができた地元碁石地区出身のシンガーソングライター濱守栄子さんや、毎年協力くださっているシンガーソングライターの大石亜矢子さん(視覚障害者)が素敵な歌声を披露してくださいました。

2日目は、中森熊野神社式年五年大祭に一般参加者として加わり、伝統的な虎踊りの奉納演舞や手踊りを観ることができ、太鼓や笛の音から伝わる洗練された地元のお祭りの雰囲気を味わうことができました。近くにいた小学生らしき男の子に聞くと、約4ヶ月前から週に4回踊りの練習をしていたそうです。代々、人から人へ口伝えで受け継がれてきた伝統が、この虎踊りに集約されているのですね。
大船渡に来るようになって10年経ちますが、これほど多くの人々が熊野神社に集まるのを初めて見る、というほどの大盛況でした。

最終日には、昨年も使用させていただいた大船ポートで「第3回誰でも囲碁大会 in 大船渡」と記念フォーラム「魚を増やそう~人口海底山脈の構想」、「ヘキゴ(壁碁)に寄せる夢~未来に伸びる屋外囲碁ギャラリー」が開催されました。
誰でも囲碁大会実行委員長の私としては、囲碁大会はあまり形式張ったものではなく、集まった十数名でたくさん交流対局を行うことを重視した結果、地元の囲碁愛好家と関東から集まった囲碁愛好家たちが十数名で対局し、小規模でしたがとても充実した時間となりました。
私も地元の方2名と対局させていただき、お相手の石をたくさん取らせていただいたのですが、対局後にお話を伺うと、なんとお二人とも83歳でビックリしました。お二人とも、碁の内容は全く年齢を感じさせない力強さがあり、むしろ若々しさを感じました。囲碁は認知症防止に効果があると昔から言われていますが、囲碁愛好家の方々は高齢者でも思考がしっかりしている方が本当に多いです。
最後には皆様と「また来年も対局しましょう」としっかり握手を交わし、再会を約束しました。
私自身、最近は教えることが多かったのですが、今回は久しぶりにただ純粋に囲碁を楽しむことができ、自分だけの碁を打てて気持ちが良かったです。

余談ですが、今回とても嬉しいことがありました。
私の所属する町田市視覚障害者福祉協会の会員のお一人が、ガイドヘルパーさんと一緒にこの囲碁まつりに参加してくださったのです。驚くことに、その方は碁石海岸がある末崎地区出身の視覚障害者でした。昨年、とある視覚障害者の集まりで私の前に座っていた方が、話をするうちに末崎出身と分かり、この不思議な出会いに運命的なものを感じました。その方も、自分の故郷でこのような活動をしている人間に出会うとは思っていなかったそうです。今ではあまり話されなくなった気仙語を話す方々ともお会いになり、「涙が出るほど嬉しかった、来て本当に良かった」とおっしゃっていました。

振り返ってみると、2014年に第1回碁石海岸で囲碁まつりが開催され、私も関わってから10年が経ちました。碁石海岸で囲碁まつり実行委員長の木谷正道さんから「三陸鉄道で囲碁列車を走らせるために柿島さんのアイゴが必要です」と電話を受けてから、あっという間の10年です。普通の囲碁盤では、電車の中では碁石が動いてしまうため、視覚障害者のために考案されたアイゴが震災復興のキラーコンテンツになるとは全く思いがけないことでした。

それから10年、台湾や韓国の盲学校とのつながりができ、全国台湾韓国盲学校囲碁大会(2017年から2019年まで開催)、5月14日を「碁石の日」として制定、中森熊野神社に石の碁盤を奉納し「囲碁神社」が始まり、人口海底山脈の構想や今年の壁碁構想が動き出すなど、これまでの活動が大きく実を結んできました。
途中、コロナの影響で中止を余儀なくされた囲碁まつりですが、あきらめずに続けること、継続は力なりの精神を自らの活動で証明している木谷正道さんに、これからも協力し続けていきたいと思います。

最後になりますが、いつも温かく私たちを歓迎してくださる大船渡の皆様、碁石海岸で囲碁まつり・誰でも囲碁大会 in大船渡のために集まってくださった運営スタッフや参加者の皆様、様々な形でご協力・ご支援いただいた皆様に、心から厚く御礼申し上げます。

お読みくださりありがとうございました。

※以下、開催時の写真です。

誰でも囲碁大会in大船渡会場内の様子
地元の方と真剣勝負中の柿島代表

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