2025/03/18
皆様
いつも私たちの活動にご支援・ご協力をいただき、誠にありがとうございます。
今回は2月22日~25日まで韓国を訪問しましたので、その模様をご報告いたします。 今回の訪問の目的は、「第1回国際障害者囲碁大会」への参加と、「第1回国際パラゴ協会総会」への出席でした。
会場はソウル市内にあるオリンピックパークテルのホールで、囲碁大会と宿泊が同じ場所で行われるため、大変便利でした。
余談ですが、このホテルは1988年のソウルオリンピックのために建設され、隣接する公園内にはさまざまな運動場や施設、博物館があり、地元の方々の憩いの場となっています。寒がりな私は、外気温がマイナス2度の中でもサッカーやテニスを楽しんでいる人々がいることを知り、ビックリしました。
23日の囲碁大会には、韓国、中国、台湾、モンゴル、ロシア、日本の6カ国から聴覚障害、脳性麻痺、視覚障害など様々な障害がある囲碁愛好家40名が集まり、非常にレベルの高い試合が繰り広げられました。
韓国では毎年行われる国内の障害者囲碁大会に約300名が参加しており、今回は予選を勝ち抜いた上位入賞者のみが出場していたそうです。
競技は統合A、統合B、視覚部の3部門に分かれて行われました。
ルールはすべて互先(ハンデなし)です。
視覚障害の部の結果は、日本の岩崎晴都さんと中国の徐光霖さんが共同優勝となりました。
3位には、韓国の宋重澤さんが入賞されました。
決勝戦の岩崎さんと徐さんの碁は、盤面で2目差という、お互い一歩も引かない好勝負だったと聞いています。
岩崎さんは弱視、徐さんは全盲であり、視覚障害の部という括りの中にあっても、見えることを超越し、勝負の中で深い友情を育んだようです。
それが証拠に、大会翌日にこのお二方が起点となり、中国チームと日本チームがホテルのレストランで一日中対局していたそうです。
囲碁が言語の壁を超えて人々をつなげる素晴らしさを改めて実感しました。
個人的には、「せっかく韓国に来たのだから観光すればよかったのに」と思いましたが、無粋ですね。
ちなみに、柿島の大会成績は1勝3敗で、勝ち越すことができず悔しい思いをしました。皆さん本当に強かったです。
大会翌日の24日には、大韓障害者会議室で6か国の代表が集まり総会が開催され、今後も国際障害者囲碁大会を継続開催し、囲碁の普及や教育について協議しました。
議題は以下の通りです。
1.ParaGoの国際的地位を確立するための国際機関の組織
2.ParaGoの普及と発展のための継続的な大会開催計画
3.障がい者の種別に応じた競技ルールの確立
4.パラリンピックやアジアパラ競技大会でParaGoを正式種目とする方法
どのトピックでも建設的な意見が交わされ、さらなる世界大会開催に向けて大きな一歩を踏み出せたと実感しました。
なお、「パラゴ(ParaGo)」とは、障害者囲碁を総称するために国際パラゴ連盟が提唱し、今回の会議で正式に承認された名称です。
この場で、「国際障害者囲碁連盟(International ParaGo Federation, IPGF)」が創設され、
初代会長:ヒョン・ミョンドク氏
初代事務局長:ナム・チヒョン氏
が決定しました。
今回大会と総会に参加して感じたこととしては、世界の囲碁愛好家の間で視覚障害者囲碁(アイゴ)がまだ十分に認知されていないことを痛感し、今後さらにPRに努める必要があると感じました。また、会議に出席した各国の代表が、日本視覚障害者囲碁協会ひいてはアイゴの活動に期待を寄せてくださっていることがわかり、とても心が熱くなりました。
将来に向けて、世界にパラゴが広まり、その中で視覚障害者がストレスなく囲碁を楽しめる環境を整えるため、私も積極的にパラゴの普及活動に尽力してまいります。
第2回は台湾での開催となったので、日本視覚障害者囲碁協会としても積極的に協力していきたいと思っています。
最後になりますが、今回私たちを招待してくださった国際囲碁協会の皆さま及びナム・チヒョン会長、大韓障害者囲碁協会の方々に、心より感謝申し上げます。
※以下、現地での写真です

