美ら島おきなわ文化祭2022で囲碁イベントを開きました

2022/10/31

皆様、いつも私達の活動に対しご支援ご協力いただき、誠にありがとうございます。

この度、10月22日、23日、沖縄県浦添市において『美ら島おきなわ文化祭2022・全日本視覚障害者囲碁大会』を開催して参りました。

国民文化祭、障害者芸術・文化祭での視覚障害者囲碁イベントは、2019年の新潟以来、3年ぶりです。
今回は、沖縄県囲碁連盟の開催した『てだこIGOフェスティバル』との併催となり、舞台となったアイムユニバースてだこホールに沢山の囲碁愛好家が集まりました。

全日本視覚障害者囲碁大会には、地元沖縄県からの参加選手2名と、県外からの6名を合わせた合計8名によるハンデ戦形式です。
2日間で3局を行い、それぞれの対局は、どれも真剣勝負で緊迫感あるものでした。
コロナ禍もあり、しばらく対面での対局を離れていた方もいましたが、やはり目の前に相手がいると、盤面以外の様々な情報も入って来て楽しいものです。

決勝戦は地元沖縄と東京からの参加者との一騎打ちで、わずか2目半差の薄氷の勝利でした。
結果は記事の下部に記載します。

御本人の許可を得て書かせていただきますが、地元沖縄参加選手の大浜用忠さんは、しばらく囲碁からは離れて、マラソンを主な活動とされていた視覚障害者です。
しかし、コロナ禍でマラソンイベントが全て中止となってしまいました。
今回の囲碁大会参加をお誘いするためにお電話をした時、大浜さんは何かとても憔悴していたように感じました。
彼は参加を決意した時からすぐにパソコンを購入し、zoomを使いオンラインでの音声対局ができるまでになり、この2年間毎週私と碁を打って練習しました。
更には、全国の視覚障害者囲碁愛好家とオンラインで繋がることもできました。
※全盲の視覚障害者同士のオンライン対局は、お互い手元に碁盤を置き、石の配置を数字で伝えながら行います。

大浜さんがオンライン対局中によくこのようなことを言われていました。
「囲碁に出会えていなければ、コロナ禍で自分はどうなっていたか分からない。囲碁をやっていて本当に良かった」

この言葉に私がどれだけ元気づけられたか分かりません。
正直、今大会の準備段階でとても大変な場面があり、私一人の力の限界を痛感していました。
それでも、囲碁関係以外の仲間たちにも力を貸してもらったり、協力団体でもある日本福祉囲碁協会の方々や地元浦添市役所の方々にも助力を受け、無事に開催までに漕ぎ着くことができました。

開会の挨拶でも話しましたが、囲碁も石一子の力は弱く、一つ一つの石が繋がることで、勢力が生まれ、陣地が作られます。
人も同じで、私一人では全く力のない一つの碁石のようでした。
今大会では、皆さんがそれぞれ自分のできる力を発揮し、それを繋げてくださったおかげで、素晴らしいものとなったことを感じています。

会場には、30名を超える見学者が私達の対局の様子を観に来てくださり、中には、沖縄を代表するプロ棋士の知念かおり先生や、不思議の国のアリス杯などを手掛ける柴野龍之介先生もいらしてくださいました。

おかげさまで、沖縄にも視覚障害者の囲碁の種を多く撒けたのではと自負しています。

来年は、石川県での国民文化祭開催が決定しています。
次の舞台も皆さんが「囲碁に出会えて、人に会えて良かった」と思える囲碁イベントにしたいと思います。

最後になりますが、全日本視覚障害者囲碁大会の開催に際し、ご協力いただいた全ての方々に、心から熱く御礼を申しあげます。
本当にありがとうございました。

【美ら島おきなわ文化祭2022・全日本視覚障害者囲碁大会結果】

◇優勝 文部科学大臣賞
篠田 明 (東京) BIC(ブラインド囲碁サークル)

◇準優勝 浦添市長賞
大浜 用忠 (沖縄) 所属無し

◇第三位 浦添市長賞
柿島 光晴 (東京) 日本視覚障害者囲碁協会

<主催>

浦添市文化芸術振興事業実行委員会、社会福祉法人日本点字図書館、一般社団法人日本視覚障害者囲碁協会

※以下、2日間の会場の様子を映した写真です。合わせてご確認ください。

開会挨拶をする柿島代表

2日目には松本哲治浦添市長も対局の様子を見学された(立って見学している青いかりゆしシャツの方)

 

会場外にはアイゴツーの展示コーナーを設置(テーブルクロスに沖縄紅型の風呂敷を敷いた)

 

表彰者3名と主催の日本点字図書館田中会長の記念写真(左から大浜さん、田中会長、篠田さん、柿島)

 

最後は参加者と関係者全員で記念写真

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